稲田の桃林

 にはさまれた稲田周辺の低地は、桃林 が一面に広がり、稲田桃の産地として全国に 知られていました。江戸時代に著わされた 「河内名所図会」にも桃林の中の川通りの舟 や、花見に興じる人々の様子が描かれ、中国 武陵渓の桃林さながらだったと伝えられていま す。

果実は小ぶりで赤く、“その味美なり”とま で言われていました。今はすっかり姿を消し てしまった稲田桃ですが、実は岡山の水蜜 桃の原種であり、その味は今日にも引きつが れているのです。